今年は?台湾ランナーを待ち受ける「簡体字おもてなし」東京マラソン

かなり前に、「日本の中国語表示(繁体字と簡体字) その6」で紹介したんだけど、
中国語の文字には繁体字と簡体字があって、エリアによって使う漢字が違う。
台湾人が使うのは――繁体字だったよね。香港人も使ってる。
簡体字というのは、中国が使っている文字のことだったよね。

訪日外国人何千人的な目標もぐんぐん上がり、
当然のように観光案内などで多言語表示が進んできている。
関東圏に住んでいると、妙に中国人向けの簡体字は目につくけど、
台湾、香港向けの繁体字がちっともない。

中でも一番不条理だなと思う一つが、東京マラソン大会での参加者の案内。

東京マラソンは、実は、台湾、香港人の方が多く参加しているのに、
東京マラソンの主催者は、なぜか簡体字のみを掲出し、繁体字を出さないでいる。

簡体字だけで、中華圏を一緒くたにおもてなしをしようとしている。
なお、韓国からの参加者って、結構少ないのか……と思ったけど、それはこのブログでは関係ないのでおいておく。

日本のマラソン大会って全部そうなのかというと、そうではないよ。
例えば、下の写真、左が東京マラソンで、右が京都マラソン。
 

 

京都マラソンでは、繁体字と簡体字の両方を使っている。
多言語表示は、この時代なんだから、追加しようと思えばできるのであって、
それは「おもてなし」として選択の結果、東京マラソンでは選ばなかった?切り捨てた?ってことかな。

その結果として、台湾人は、東京マラソンではエントリーからゴール後まで、
終始一貫、これでもかと簡体字を見せられ続けることになってる。

文字もアイデンティティーの一つなんだということ、
ましてや、中国と、台湾、香港の間はなかなか政治的に複雑になってきてるよね?
中国との関係をポジティブに考える人もいれば、そうじゃない人も……
台湾、香港人のみんながみんな、中国の文字である簡体字を素直に「読みたい」かをちょっと考えてみてほしいんだよね。

(東京マラソンはゴールの先もひたすら「簡体字おもてなし」……)

ことしの東京マラソンはどうなってると思う?

中国語だけど、「台湾人無視の日本のおもてなし(1)」「台湾人無視の日本のおもてなし(3)」ということで日本語での中国語表示についての雑感を書いてるので、見られたら見てね。

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