台湾の徴兵制度 その3

今は過渡期なので、このブログで書いているとおりになるかわからないけど、
前回」に続き、徴兵制度と志願について書いてみようかと思う。

今後の目指すべき大きな流れとしては、台湾では、徴兵制度がなくなって、
自衛隊のように、志願し、職業とするプロがその任に当たるということに変わっていくということだよ。
やはり、徴兵で集めた人たちにどんなに厳しい特訓を課したとしても、実力としてプロ集団には勝てないよね。

集団の中での統率や協調などの問題もあるのかなと思う。
もともと台湾人男性は、兵役があるということがわかっていて兵役に行ったとしても、
そこでの集団生活がそこまで人生に実り多い経験になるかというと、微妙みたいだね。
実際の集団の中では、いかに楽をするか、いかにずるをするか、要領よくやるか的なところも問われたりとかもあるし。

あるいは、兵役中の事案について、家族の声を無視できなくなってきたこともあるかもしれない。
2013年には兵役中の男性の虐待死が問題になった。
こういうのは、台湾で学生向けに行われる軍事訓練みたいなのにも言えることで、
熱中症で亡くなる人がいると、そのことに配慮せざるを得なくなったりとかして、
結果的に練度が落ちたりとかしている。

ということで、徴兵ではなく、志願者で埋めることを目指しているんだけど、
いざふたをあけてみると、志願者は人数も少ないし、人材の質もよくないということで、順調に進んでいない。
志願者は高卒が条件なんだけど、志願する人が少ないので、ドロップアウトした中卒の人が入っていく場になってしまったりしている。

実際には、2003年から志願制度も試行されていて、
それまでは、志願できたのは下士官レベルの管理者層若干数だったのが、
兵士も志願できるようになったわけで、志願でなれる人数規模が違うようになっている。
もちろん、衣食住は保障されているという意味での処遇はよさそうだけど、
志願するであろう若者の親族や年長者には兵役経験があるわけで、その経験から、余り賛成されるわけではないみたい。

逆に、女性の方は人気があって、応募は定員以上、満杯になっている。
潜在的に徴兵制度に関心を持つ女性もいるということかもしれないけど、
女性の職種は事務とか経理とかで、実力部隊に配属とかはなさそうだからかな。

ということで、2014年末をもって兵役をやめ、職業軍人に移行するなどという話もあった気がするけど、
それどころか、目下、志願兵が足りないため、志願で何とかしようという動向は流動的になっている。
今後、徴兵制度を復活させていくということになるのなら、
徴兵制度がなくなると思って人生計画を立てていた台湾人男性は、かなり憂うつな未来を予想せざるを得ないのかな。

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