台湾の素食弁当の再現性

台湾でピクニックの弁当を注文するときに、普通の弁当か素食の弁当かと聞かれたので、両方注文してみた。
 
弁当の上に「素」とある方が、素食弁当。(「台湾の素食の食品表示 その3」も見てね。)
台湾のお弁当と日本のお弁当の決定的違いは、白米の上におかずを置くことだよね。(「台湾の弁当」も見てね。)

両者の弁当を比較してみて、卵がある方が普通の弁当だというふうにわかると思うんだけど、
卵がなかったら、どちらが普通の弁当か、見た目ではちょっとわからないよね……
そして、見た目もなかなかうまく再現しているんだけど、食べてもわからないかもしれない。
もちろん、お肉っぽいものがお肉でないこととかは食べてすぐ気づくことだけど、
食べてみて両方おいしいわけで、両者は満足感という意味では本当に遜色ない仕上がりになっている。

日本人にしてみれば、素食はベジタリアン、菜食だから、
そういう弁当にするためには、何かを犠牲にしないといけない、
だから、弁当としては何らかの物足りなさが残るものになると思うかもしれないけど、
そういう貧相なものではなく、これはこれでありなんだというのが素食なのかなと思う。
ついでに言うと、上記の弁当は、素食にありがちな、
再現品が妙に密度があって重過ぎるというのもなかったのもよかった。

台湾でこういう弁当のチョイスがあるというのも、まさに素食志向の人が多いからだよね。
ネット上では、台湾素食人口は全体の1割とか書かれている。
とはいっても、この1割という数字の出典は同じで、もう既にここ10年ぐらい、ずっとそういうことが繰り返し言われているので、1割というデータは怪しい気がするけど、
現実的に、台湾人の身の回りでは素食を志向する人をすぐ見つけられるという気がするし、
台湾政府による素食に対する制度整備や、食品会社、レストランの対応や配慮、素食による栄養不足などを指摘する動きなど、素食をめぐる話題をよく見つけられる。
だから、1割というのはコア層にすぎず、何らかの形で素食志向でいる人はかなりいるんだろうと思う。

素食というのは日本人にとっては外国の一事情でしかすぎない話題ではあるけど、
日本に旅行に来る台湾人が結構困っている。
素食志向の台湾人が、ネットのQ&Aサイトで、日本での食事どうしようとか質問するのは、ネットでありがちな話題だよ。
日本が外国人観光客に「おもてなし」なんて言うんだったら、このあたりも考える必要があるよね。
以前「台湾人とベジタリアン」というトピックもつくったけど、
台湾のベジタリアンというか、台湾の菜食文化のことは台湾素食という単語で覚えておいた方がいいかもしれない。

台湾の素食の食品表示 その1」「その2」「その3」も見てね。