「意外」という事故の言葉

日本語の文脈で使い得ないときに「意外」が出てくることがある。
以前、日本語を勉強している台湾人に「意外があった」というふうに言われて、
「意外」に思うことがあったというけど、どういう意外なことがあったのか――と質問し返したことがあったんだよね。

ここでの「意外」(yi4wai4)というのは、名詞として使われているもので、
思いがけなく、突然、想定外の事故やトラブルが起こって、不幸にも巻き込まれているような状況を示すみたいだ。
よく「發生」(fa1sheng1)とセットで「發生意外」(事故が起きた)というふうに使うみたい。
例えば、「希望她沒有發生意外。」は、事故に遭っていなければいいけど……という意味になる。

言い回し的には、意外=事件みたいな感じで使われているけど、
ここでの意外は、「意外事件」(yi4wai4 shi4jian4)、「意外事故」(yi4wai4 shi4gu4)を短縮している感じ。
だから、「意外」で想起されるのは、例えば交通事故とか転落事故とかかな。

この前、テレビを見ていたら、そういうのが出てきたよ。

交通事故で車に衝突されて亡くなったんでしょう――みたいな意味かな。

想定外と言えば、我々としては、東日本大震災とか福島の原発事故とかが思いついて、これこそまさに「意外」と思うけど、
天変地異は事件や事故ではないから「意外」とは捉えにくいし、既に災害の状況が把握しているものについては「意外」の範疇ではないみたい。
福島については、あえて言えば、「福島核意外」と決めつけられなくはないのかな。

ちなみに、台湾での「意外」はこれだけじゃなくて、
日本語みたいの形容動詞「意外」の意味でも使われるよ。

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