日台間1桁減の価格法則

今、手元に持っている日本円が台湾ドルでは幾らに相当するか、
逆に、台湾ドルではこの値段だけど、日本円では幾らに相当するか、

相当大ざっぱに計算するときは、
3倍したり、3で割ったりすればいいんだよ。

今持っているお金が
日本円なら、3で割るし、
台湾ドルなら、3掛ける。

もちろん、その時々によって円高に振れたり、円安に振れたりしているわけだけど、
普遍的には大体こんなイメージで捉えておけばいいのかなと思う。
今から7年前に「日本円と台湾ドルの外為変動」というコンテンツも書いたので、見てね。

さて、以上は、為替レート換算だけれども、
特に日本で生活をしたことがあったり、日本のことをよく知る台湾人の中には、
財・サービス価格を、日本円の数字=台湾ドルの数字で考えることもある。

どういうことかといえば、
例えば、10万円の高級酒の価値を、10万台湾ドル相当と考えるということ。
我々にしてみれば、台湾ドルでは10÷3で、3万3333台湾ドルじゃないの?と思うんだけどね。
この法則によれば、日本の物品の価値を3倍以上高く見積もってくれているということだよね。

どうしてこう捉えるかといえば、日本に来た台湾人が、日本で給料をもらい日本で消費をしているうちに、
日本における財・サービス価格を1桁削ると、台湾での価格に近いということに気づいたからなんだよね。
例えば、日本の初任給は20万円だとして、台湾の初任給は2万台湾ドルとか……
例えば、日本の安い昼食は300円だとして、台湾では30台湾ドルとか……
例えば、日本のペットボトルは150円だとして、台湾では15台湾ドルとか……

もちろん、今は台湾の物価は上がってきているし、日本はデフレからの脱却とかの最中なので、
このような1桁減の価格法則は昔のものになりつつあるかもしれない。
例えば、目下の日台の大卒初任給は、日本は19万8000円、台湾の初任給2万6915元なので、もはや1桁減の価格法則は成り立っていない。

とはいえ、日本人が日本の商品を持って、それは○○○○○○円相当と紹介した場合、
両国間の為替レート以上の必要以上の価値をもって受け取られる可能性もあるということだよ。
こういう現象は、経済用語的には何と言えばいいんだろうね?

ちなみに、円安基調というのは、日本人は対米ドルとの円安傾向を中心的に見て、台湾ドルも円安だと判断するのだと思うけれども、
実際のところ、対米ドルと台湾ドルとで比較すると、台湾ドルの方がより円安になっている場合もあるよ。
目下の動向ではないけれども、「日本円と台湾ドルの米ドルレートの推移」をつくったことがあったので、よかったら見てね。