台湾人名のアルファベットのつづり その1

例えば、中国人と台湾人がまざっている名簿をつくるとする。
こういうのでまず難儀するのは、漢字圏の人たちの漢字の達筆ぶりというか、書き方が合理的過ぎて?下手過ぎて?解読不能というのがあるんだけど、それはさておき……
何とか漢字の入力ができ、日本語読みの振り仮名をつければ完成するよね。
これだけじゃなくて、現地読みの振り仮名やアルファベットのつづりを入れたものをつくりたいなどと思うこともあるかもしれない。
現地読みというのは、一般的に日本人が考える北京語、国語、華語の領域でしかないんだけど、ひとまずそれで、名前のアルファベットのつづりを名簿に入れ込みたいとする。

そういうときは、ネット上にある変換ツールを使うと楽かもしれない。
読み仮名については、「繁体字 片仮名 変換」などでググれば、出てくるし、
アルファベットのつづりについても、「繁体字 ピンイン 変換」などとググれば、出てくる。

「ピンイン」というのは中国語(漢字)のアルファベットの振り仮名のようなもの。漢字で書くと「拼音」だけど、日本語入力環境ですぐに変換して出てこない漢字なので、よく片仮名で表記される。
キーワードを「繁体字」としているのは、日本語の漢字をそのまま変換ツールにぶち込んでピンインに変換できる可能性が高いから。
なお、ツールにぶち込んでうまく反応しないようだったら、日本語の旧字を入力して試したり、別途繁体字の字体を探す必要が出てくる。

上記のような変換ツールだけど、例えば「どんと来い、中国語」というサイトを使ってやってみるね。
 
出典:中国語カタカナ変換及び繁体字ピンイン変換どんと来い、中国語

こういう変換ツールを使えば、相当たやすく中国語の現地読みのリストをつくれるよね。

これで少なくとも、中国人分については完成と言えるんだけど――
台湾人の人名については、変換ツールで出たものとは違うつづり方をするかもしれないと思った方がいいと思う。

台湾人の人名のアルファベットのつづり方は、伝統的には「ウェード式」が選ばれ、ピンインではないんだよね。
例えば、高学歴な台湾人であれば、学術の分野で英語論文を読んだりして、
そこに出てくる台湾人研究者の名前のつづりにウェード式が多いなと気づくこともあるかもしれない。

台湾人名のアルファベットのつづりというのは、台湾国内にいる限りはそれほど必要ではないので、
実際に悩みに直面するのは、パスポートをつくるときだと思う。

台湾政府は、2008年末のお達し以降、名前のアルファベットのつづりは「漢語拼音」を使うことを奨励していたりするんだけど、
実際には、台湾人名のアルファベットのつづりは、何通りかのつづり方式から選ぶことができることになっている。
だから、自分の人名のアルファベットのつづりをどうしようと困ってしまい、ネット上でもその手の相談の書き込みが存在したりする。

ただ、旅行代理店にパスポート申請をお願いすると、旅行代理店はウェード式で申請したりするようだし、
中国人の名前だと思われたくない人がウェード式を選ぶということもなどもある。

ということで、台湾人名のアルファベットのつづりについては、最終的には、本人につづくり確認するにしても、
我々としては、それなりの類推や機転をきかせて、台湾人の名前のアルファベットのつづりはウェード式かもしれないということを想定した名簿づくりをしたいものだよね。

ちょっと長過ぎるので、次回に続く。

台湾人とイングリッシュネームも見てね。