台湾人と幽霊

台湾人と怖い話ということで、
まあ怖い話の題材やテーマは、万国共通だろうなということは書いてみたんだけど――

じゃあ、幽霊はどういう形をしているかだよね。
まあ、本物を見たことがある人はどういう形かわかっているんだろうけど、そうじゃない場合ね。

日本だと、幽霊には何となくプロトタイプがあるような気がするけど、
台湾では、幽霊の形状は普通の人間の形をしているけど、例えばシフト、スライドするような動きを見せて、
人間とは何かが違う不自然さがあるものをイメージするんじゃないかな。
もう少し何か明確になるものがあれば紹介したいけど、台湾ではそういうのを紹介する媒体があるわけでもないので、
幽霊とは、人それぞれに、いろんな人から聞いた迷信を自分なりに結びつけてイメージしていると思う。

ところで、中華圏で有名な幽霊といえば、キョンシーというのがあったけど、
あれは、清の官吏の服を着たミイラみたいな幽霊で、映画上の演出だよ。
実際に見る幽霊があの形をしているから、あの映画であの幽霊を出してきたということではないみたい。
とはいっても、まだ学生の人の中には、こういう話題が古過ぎて、キョンシーが何なのかわからない人もいるかな……

ただ、唯一つながっているとすれば、幽霊のまねをするときの手の形かな。
日本の場合は、幽霊を示すとき、肘を曲げて、両手を前に垂らしたりして表現するけど、
それではなくて、キョンシーみたいに肘を伸ばして、真っすぐ伸ばして、両手を前に垂らす方が幽霊っぽく感じるみたいだね。
ちなみに、腕を伸ばすのは、それで相手の首を絞めるためだよ。

幽霊は「鬼」というし、お化け(人間以外の霊)も多分「鬼」になるんだろうし、
水木さんが書くような妖怪はさすがに「鬼」とは言いにくくて「怪物」になるんだろうけど、
台湾の言葉には、日本人が考えるほどその手の語彙の種類はない気もする。

そうはいっても、台湾人も幽霊は怖いと思っていることは間違いなく、
迷信的なものを信じる人は、日本人以上にいるかもしれないんだよね。
例えば、日本では墓場で肝試しをする人がいたりするけど、
台湾では、土葬のものもあるし、日本と違って墓石に写真が張ってあったりするから、
まじで何かが出てくる気もしていて、そんなのあり得ないと思うかもしれない。

台湾のお墓 その2」も見てね。

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