台湾にもこういう時代があったのだということで、台湾の検閲についてシリーズ物で書いてからもう既に7年もの時間が経過したんだけど、
こういう話題は古くて新しい話題でもあるし、まだ書き残していたことがあるので、追加するね。
これまでのシリーズでは、主に文章に対する検閲について書いてきたんだけど――
もちろん、検閲は地図にも及んでいるわけだ。
まず、「中華民国の国土の形」を見て、予習してもらった方がわかりやすいかも。
まず、こういう中国の人口を紹介している地図があるんだけど――
地図の上の方に注目してもらうと、そこには何やら手書きの線がつけ加えられているんだよね。
これは、中華民国の国土の形に合わせて線を引いているということだと思う。
検閲と黒塗りがセットになっているものがある。
地図の上部に版図部分を手書きで追加、
黒で塗られている部分は、「民族自治区」の部分
――新疆ウイグル自治区、寧夏回族自治区、チベット自治区、内モンゴル自治区、広西チワン族自治区
これはつまり、新疆とかチベットとかの名称はOKだけど、
その「民族自治区」という存在が検閲対象なのかなと思う。
こちらのカラーの方は、版図はそのままだけど、民族自治区の黒塗りだけはしてある。
でも、中国の民族自治区の寧夏の部分を消し忘れているような……
あと、北京と台湾の部分が黒く塗られているというのは、首都のマークみたいなのを消したかったのかな……
これらの検閲の対象は中国大陸についてで、そもそも昨今話題になっているようなエリアとはまた違うような……
そして、中国大陸について検閲したい何かがかいま見られると思うけど、どれにも検閲のむらがある感じがしなくもないね。
過去の話題も、興味があったら読んでみてね。
「戒厳令時代の台湾の言論統制」シリーズ 0 1 2 3 4
「「偽」という漢字」
これらの写真は、あくまでも台湾地方の田舎の図書館にある古い書籍の中で、あえてこういう検閲があるものを探して撮影しているわけなので、全部こうだとか、そういう誤解をしないでね。
家にも親父が大学時代に台湾で買った漢字字典の最後ページ
地図地名が黒塗りになっています。w
あと中国歴代国家名も何故か一つ黒塗りになっています。w
(changjackyさんへ)
こんにちはszyuです。コメントありがとうございます。
市販のものもそんな扱いだったんですね。検閲のやり方がいまいちなのを見ていると、検閲するというのは能力が要るんだなということを感じさせます。黒塗りを見ると、やっぱりそこに台湾の一つの歴史を感じます。
このトピックのシリーズは準備が必要だったので、これに注目してくれてうれしいです。
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