よろしくを表現する

「よろしく」というと、「請多多關照」(qing3 duo1duo1 guan1zhao4)かな。
中国語の教科書には、かなり初期の段階に出てくるよね。
この「よろしく」は、「請多多關照」のほかに、「請多多指教」(qing3 duo1duo1 zhi3zhao4)という言葉もあるよね。
台湾では「請多多指教」の方が多く使う? 実際のところ、どうなんだろう……
「關照」はお世話になるとか面倒をおかけするという感じで、
「指教」は御指導、御鞭撻をお願いするという感じになるのかな。

ということで、日本人的な「よろしく」という意味合いで、仲よくなった台湾人とかに「請多多關照」を連呼すると、
実際には相手には、失笑とは言わないまでも、何とも言えない反応を受けることもあるかもしれない。

「請多多關照」という社交表現は、立場の弱い人が立場の強い人に向けてお願いするときに使うみたいで、
子供や学生の同級生とか、近しい友達では、相当礼儀正し過ぎる感覚がするらしい。
そもそも、日本人が「よろしく」と言うはずの場面に、特段何も言わないということもある。

挨拶だったら、むしろ元気に「你好」「大家好」と言った方が状況にマッチするかもしれないし、
自己紹介とかだったら、「希望能和大家成為好朋友」(xi1wang4 neng2 he2 da4jia1 cheng2wei2 hao3peng2you3)(皆さんとお友達になりたいです)という定型的な言いようもある。
自己紹介については、「台湾人に自己紹介する」も見てね。

ところで、「請多多關照」は社交辞令的な挨拶だけど、
具体的なお願いする対象と状況があるときの「よろしく」は、「拜託」(bai4tuo1)を使うよ。
選挙では、候補者が有権者に「拜託拜託」というのを聞くことがあるかもしれない。、
今やっているタスクを、かわりに別の人にお願いするときは、その人に「拜託你了」と言えばいい。

「拜託」というのは、私がお願いするということなので、
「拜託」という動詞の前に「請」をつけて、「請拜託」とすることはない。

では、日本人が日常的に使う挨拶のような「よろしくお願いします」というのは、どう言えばいいのかだけど、
実際のところ、よろしくというのは、日本的なコミュニケーション様式なんだよね。
なかなか、それに合うものを探すのは難しいということが前提なんだけど、
この言葉がないと自分自身が気まずい気もするんだったら、こういう言い方もできる。

「拜託您、請多多指教」と言えば、もし間違いがあったら教えてくださいということになるし、
「今天也拜託各位了」と言えば、組織の中とかで何かグループ活動を始めるときに、きょうはよろしくお願いしますということになる。

あとは、よろしくといえば、「~さんによろしく」というのもあったよね。
「あなたの家族によろしくお伝えください」というのは、
「幫我向你的家人問好」(bang1 wo3 xiang4 ni3de jia1ren2 wen4hao3)
くれぐれも「幫我」を言い忘れないようにしてね。

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