屋台の思い出を持たない台湾人

日本人が台湾で観光するとき、夜を中華レストランで食べる人もいるだろうけど、
1回は夜市の屋台を見てみようという気にもなるだろうし、
屋台が台湾人でにぎわっていると、ああ、地元の台湾人も屋台で食事をするんだなと思う。

台湾で日本人が観光で行く屋台は夜だろうし夜市などと言っているけど、
屋台があるのは夜だけじゃなくて、朝にも朝食の屋台が出るし、昼間は学校の前に、それが小学校であったとしても、児童目当ての屋台が出てくる。
こういうのは、前に「台湾の小中学生の買い食い」とか「台湾人の学生の朝」ということで書いたことがあるんだよね。

親が子供に小遣いを持たせて、屋台で子供が食事を日々することを許容する、
子供がいる世帯であっても、家でつくることに親としての使命感や罪悪感を持つという社会的雰囲気があるわけでもなく、
家での食事が屋台を初めとする中食で済んでしまう家庭があってもおかしくないのが台湾だ。

日本と違って、購買力平価で考えても台湾の飲食費は安くつくから、
毎日外食なんてしていたら家計がもたないなんというほどでもない。

さて、いつもと違って前振りが長くなったんだけど――
こういう屋台とともに生活をしている台湾人だけでなく、
あれほど屋台がたくさんあるというのに、屋台を使わない台湾人、ほとんど行かない、行ったことがない台湾人というのもいるよ。

そういう人たちがどうして屋台に行かないかというと、
周りの人たちから屋台についてのネガティブな話を聞くばかりで、屋台を使う発想を持たなかったとか、
屋台の食事の見ばえや衛生状態が余りにも生理的に受け付けなくて嫌いになったとかというのもある。
そもそも、学校の先生が、道端で売っている屋台のものは汚いから買ってはいけないという
そんな指導をしたという小さいころの思い出を持つ台湾人もいるかもしれない。

なお、こういう発想は、比較的家庭が裕福な人たちが持ちがちな発想でもあるので、
そして、そういう資力がある家庭の子女の方が教育投資が高くて海外に留学に行くので、
我々が日本で留学生としての台湾人に遭遇する場合、その台湾人が屋台の思い出を持たない、いい思い出がないということがあっても、全然おかしくない。

ということで、こちらが台湾旅行をして楽しい屋台の思い出を話しても、それにどうリアクションをとるべきなのかと、話を合わせられない台湾人とか、
台湾旅行に来たので台湾人と屋台に行きたいのに、肝心のその友人には屋台を選択する発想がないということもあり得るよ。

ちなみに、屋台に行かない家庭では、日本のようにお母さんが料理をしたものを食べる生活をしているのではなく、
やっぱり屋台以外のところで買ってきたでき合いのものを食べるという生活はしているかもしれない。

屋台コンテンツはたくさんあるので、目次で探して見てみてね。

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