そもそも「アイス」という言葉は和製英語なので、
きっとそれを言うと文字どおりアイスキューブを想像されてしまうけど、
アイス=アイスクリームのことは、「冰淇淋」(bing1qi2lin2)という。
これがアイスを代表する言葉なので、アイスということだけを表現したかったら、これだけ覚えればいいと思う。
ただ、日常生活の中でさまざまなアイスに遭遇していれば、この言葉以上の語彙が必要と思うかもしれないね。
我々日本人が台湾に行くときにぜひとも食べたいものに、台湾のかき氷があるんだろうと思うけど、
かき氷は、「刨冰」(bao4bing1)という言い方が代表的だし、発音しやすいと思う。
「刨」は削ることを指すので、この言葉は削り氷という意味になる。
かき氷の言い方には、「刨冰」のほか「剉冰」「銼冰」(cuo4bing1)などという言い方を見るかもしれない。
このブログでは、表記を調べやすいように念のためピンインを当ててみているけど、
実際には台湾語で読まれるので、こういう読み方にはならない。こちらはちょっとカジュアル表現かな。
それから、ソフトクリームは、霜淇淋(shuang1qi2lin2)というよ。
この「霜」という音は、「雙」と同じなので、発音だけを聞くとダブルのアイスと間違えるかな。
アイスをディッシャーで2個積んで出す場合は、「球」を使って「雙球(冰淇淋)」(shuang1qiu3)という。
シングルは「單球(冰淇淋)」と言えるかな。
この前、観光地に行ったら、ソフトクリームの看板を見たんだけど――
この看板をよくよく見ると、丁寧に中国語の翻訳がついていて「甜筒」(tian2tong3)と書いてある。
「甜筒」というと、形状としては、ジャイアントコーンみたいな感じのもの。
パッケージングされていて、食品工業製品みたいなイメージでもあるので、
その場でコーンの上にアイスを巻き巻きする場合は、「霜淇淋」というのでいいのかなと思う。
ちなみに、コーンは「甜筒杯」(tian2tong3bei1)というらしいけど、こういう厳密な言い方を市井の人がどこまでするかわからないので、
アイスを受ける容器として、コーンかカップかを表現したい場合には、
コーンは餅乾(bing3gan1)、カップは紙杯(zhi3bei1)という感じがわかりやすいと思う。
ところで、ほかのアイスの言い方だけど――
ガリガリ君みたいなアイスのことは、「冰棒」(bing1bang4)
パピコみたいなアイスのことは、「冰」とか「冰棒」になるかな。
棒アイスの言い方には「冰棒」のほかにも「雪糕」(xue3gao1)というのもあるけど、
こちらはガリガリ君みたいなかき氷系ではなくて、クリーム系というイメージ
パピコはクリーム系というよりも氷系なので、「冰」の部類に入る。
こういうことを念頭に置いて考えると、
カップのアイスの場合、バニラアイスとかは「冰淇淋」になるけど、
かき氷タイプのカップアイスの場合は、クリームではないので
レモンかき氷なら「檸檬冰」、イチゴかき氷なら「草莓冰」というほうがいいかな。
こうなると、ジャイアントコーンは「甜筒」と紹介したんだけど、
だったら、コーンの上に載っかっているものがシャーベットのときはどういうんだろうね……
台湾のババヘラアイスも見てね。