台湾の素食の食品表示 その1

素食については「台湾人とベジタリアン」とかで過去も書いてきたんだけど――
実際の食品表示の中に「素食」を見出すのは難しい。
というのは、「素食可食」と表示することはできないからだよ。

台湾の食品衛生管理法で食品表示についての規定があって、それに基づく公告で素食の表示について5種類の言い方が決められている。
(以下、素食の食品表示分類については、行政院衛生署食品薬物管理局のサイトにあった、「包裝食品宣稱為素食標示」をもとにつくっている。)
1全素あるいは純素――純植物性食物(植物五辛のネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、アサフェティダを除く)
2蛋素――1と卵
3奶素――1と乳製品
4奶蛋素――1と卵と乳製品
5植物五辛素――植物性食物(1+植物五辛)、3、4があってもいい。

わかりにくいので、表をつくってみた。
便宜的に、ここでは、植物五辛を薬味系、植物五辛を除いたものを一般植物性食物としてみた。

素食食品表示 一般植物性食物 薬味系 乳製品
1全素あるいは純素 × × ×
2蛋素 × ×
3奶素 × ×
4奶蛋素 ×
5植物五辛素

つまり、全素が、一番食べられる物が限られるということだよ。

ちなみに、これを書いている過程でネットの情報も見ていたんだけどさ、
台湾の中国語のネット上では、ラッキョウ(薤菜)と出ているはずの部分が「蕎」(ソバ?)になっているものがコピペで大量に存在するのは、どうしてかな。
日本語のネット上では、植物五辛素について「玉葱、ニンニク、ニラ、酒など使用」とあるものがたくさんあるけど、タマネギじゃなくて、ネギ。酒は見当たらないのだが……
アサフェティダというのは、香菜に近いが、香菜ではない野菜。台湾で買うのは難しい?、正確な日本語の訳語は何かな……

素食に対しての理論立てというのは結構まちまちなものみたいで、
私が書いているものは素食の分類方法がおかしいという人もいるかもしれない。
あるいは、素食について人から教わったものを実践していても、
個別のケースに至って、食べられるかどうかがよくわからなくて悩むケースというのはあるらしいね。

日本では食品衛生法でアレルゲン表示の規定はあるけど、
恐らくこれと似たような感覚で、台湾では素食が存在するのかな。
例えば、こういう細かい気遣いが日本の観光業界でできるようになれば、台湾から来る観光客もふやせると思うよ。

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