すり、ひったくり、ぼったくりを表現する

よく中華系の人から質問を受けるので、逆にどういうふうに言うのかということに興味を持った。

「すり」をするのは、「扒」(pa2)という。
「すり」をする人は「扒手」(pa2shou3)

「ひったくり」をするのは、「搶」(qiang3)とか「搶劫」(qiang3jie2)。
ひったくる人は、特に言い方はないので、「強盜」(qiang2dao4)と言うしかない。

「ぼったくり」をするのは、なかなか表現しにくい言葉みたいなんだけど、強いて言えば「敲竹槓」(qiao1zhu2gang4)、「敲詐」(qiao1zha4)という。
この言い方だと、私が相手をだます行為になるので、これは受け身的な言い方にする方が多いか。

「置き引き」をするのは、「偷」(tou1)というよ。これは置き引きのことを言っているわけではなくて、一般的に盗まれるということと同じだよ。ちなみに泥棒は、「小偷」(xiao3tou1)だよ。

「泥棒」はそのまま漢字で書いても通じないよ。
そこで、我々は泥棒を漢字にしようとすると、「盗人」とかを想像するけど、
これは現代の中国語にはない表現なので、無理して何とか訳そうとすると、文字どおり「人を盗む」とするしかないかなと思う。
「偷人」(tou1ren2)については言葉があって、不倫とかそういうのが思い浮かんで来るみたいだ。

これらを使って、すりだ!ひったくりだ!というときは、そのままその言葉を言えばいい。

「~に遭った」というときは、「被~了」(bei4~le)というふうな受け身形があったよね。間に動詞を挟めばいいよ。

「~に気をつけてね」という言葉だけど――「小心~」(xiao3xin1)と言って注意喚起することもあるかもしれないけど、これはあえて言い合うことでもないかな。
こういう声かけをしようとすること自体、我々はちょっと危機意識が足りないのかもしれない。

嘘を表現する」も見てね。