日本人が中国語を習うと、早い段階で「够」(gou4)という漢字を見るけれども、
台湾ではそうではなくて、「夠」(gou4)を使うよ。
簡体字で使う「够」(gou4)はあくまでも異体字という扱い。
「夠」(gou4)は、ある程度のレベルに達しているという意味。
日本語で「足りる」という意味のときでは、恐らく「夠」を当てられる方が多いかもしれない。
足りるというと「足」(zu2)も思い浮かぶけど、こちらは、乏しくない、貧しくないというニュアンスがあって、若干違いがあるように思う。
足りているということでは、ほかに両者組み合わせた「足夠」(zu2gou4)なる言葉もあるよ。
「多」という漢字は日ごろ目にしているんだけど――
日本語としては「多」「移」「夥」というふうな、「多」はつくりの方に出てくるのしか見ないんだよね。
したがって、「夠」という漢字が出てくると、
左右がどちらかわからなくなるような、本当に奇妙な漢字に見えるんだよね。
台湾人にとっては日ごろから見ているからこういう違和感はないのかな。