「先生」と「老師」

「○○先生」というのは男性のことを指す「さん」と同じ役割だということは、「「先生」と「さん」」で書いたんだけど――

では、teacherの意味での先生や教師は何と呼ぶかと言えば、一般的には「老師」(lao3shi1)という。
「老師」という言葉には、一般的には老人のニュアンスはないし、武術の達人という意味もないよ。
武天老師(亀仙人)のような弟子を抱える武術にたけた人は、老師ではなく「師父」(shi1fu4)と呼ばれるのかな。

それから、日本語では、政治家、弁護士、医者も「先生」と呼ばれるけれども、
中国語の「老師」という言葉は教育者の意味なので、これらの人たちを呼ぶときは「老師」とは呼べないわけで、それぞれ別の呼ばれ方で呼ぶ方が多いかな。

例えば、医者は「醫師」(yi1shi1)と呼ぶよ。
日本の中国語の教科書に出てくる「医生」は台湾では職業名であって、「謝謝、医生!」というふうな呼びかけには使わないみたいね。
一部病院では、お医者さんや医学部の教授のことをそのものずばり「せんせい」と言って通じる場合もあるよ。
この「せんせい」には偉い先生のニュアンスが含まれているので、普通のお医者さんはやっぱり「醫師」(yi1shi1)と呼んでね。

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