最近は紙の辞書を使うことも少ないと思うけれども……
台湾人が言葉を調べる国語辞典というのは、紙媒体ではどういうものになるかといえば、それは、大体想像がつくと思うけれども、日本で言うところの漢和辞典みたいなものになる。
だから、調べ方としては、注音で見出しが立って単語があって意味を見るわけではなくて、漢字を探してそこにあるリストから言葉を探すということになるんだと思うよ。
ここに国語日報辞典という辞書があるので、これを見てみるね。横に旺文社の漢和辞典を並べてみる。
余り漢和辞典を使う人は多くないと思うけれども、一応小学校で使い方を教わったと思う。
三つのアプローチのどれかで、該当する漢字を探すけど、
台湾の国語辞典も、辞書の引き方については基本的には同じだよ。
部首索引
音訓索引
総画索引
例えば部首索引は、日本では大体見開き1ページ目にあると相場が決まっているわけだけど、
この国語日報辞典も、見開きのところに部首索引がついているよ。
写真を見て比較してもらえればわかるけど、旺文社の漢和辞典と出ていることは情報はそっくり同じなので、全く違和感がない。
日本人ならば、これで部首を調べてから、残りの画数を数えて該当箇所に行くというのが一番調べやすいと思う。
ただ、最後で注音が読めないという壁に遭遇するかもしれないが……
あとは、日本人のように、音訓索引によって漢字を調べるというのは当然できないけど、注音による索引で調べることになる。
日本語の漢字のように幾つもの読み方があって、どの読み方で索引を調べるかという初歩段階で混乱することはないだろうから、日本人が考えるよりも、この調べ方は便利なんだと思う。
なお、総画引きについては、この辞書には総画の索引は載っていないけど、こういうアプローチも辞書によってはあるものだと思う。
でも、総画数を数えているうちにわけがわからなくなるような身近な漢字もありそうだし、漢字が書けないから調べているということであれば、多分こういう使い方はしないよね。使う優先度としては相当落ちるものかもしれない。
一応中身はこんな感じ。
意外にあっさりしている。
日本の漢和辞典の用途というのが漢字そのものを調べる何か相当特別な理由があるから使うということに比べると、
台湾のものは意味を調べる辞書だと考えれば、こういう差も出るのかな。
ちなみに、「櫻」の説明として「我國長江~」とか、辞書なのにそういう書き方をするんだね。ちょっと驚いた。
それにしても、この国語日報辞典、大きい辞書の割には中身の情報がすかすかなんだよね。
もう少し頑張って、辞書を小さくするとか、内容を充実するとかすればいいのにと思う。
とはいえ、いろんな人がいろいろな辞書をつくったりリニューアルすることが盛んな日本に比べられないよね。
日台の出版事情の差を知る一つの参考になると思う。
「台湾の国語辞典 その1」「台湾の国語辞典 その2」も見てね。