台湾の同一名称の県と市の関係

このトピックより最新の情報をつくりました。
台湾の2010年末の自治体合併 その1」もよかったら見てね。

日本の場合、地方の行政区分としては、都道府県があって市町村があるという感覚だよね。同一名称の県と市があれば、県があって県庁所在地として市があるという上下関係にあるけれども、
しかし、台湾では県と市が同一名称であっても、日本のようなランクづけになるとは限らないんだよね。
ということで、今回は、台湾の行政区分としての市を地図で整理してみたい。
(この地図にはないものがあるけど、勘弁してね。)

台湾の行政区分」で紹介したことがあるんだけど、
ざっくり言うと、台湾には都道府県に相当するような行政区分としての「市」と、市町村に該当するような行政区分としての「市」が存在するよ。

台湾で都道府県に該当する「市」は7つあるよ。
直轄市2市――台北市 高雄市
省轄市5市――基隆市 新竹市 台中市 嘉義市 台南市

これらを地図に落としてみると、市の周りを同一名称の県が囲っていて、市部分が後年になって分かれていったという気がする。
これらの7つの市は、同一名称の県と並び立つ関係にあるんだね。
そして、県があるものには同一名称の市があるんだけど、ただ一つ例外として、基隆市には基隆県はないよ。

これのほかに、日本でおなじみのスタイルである市町村としての「市」もある。
直轄市や省轄市に対して県轄市と言われるものだよ。
県と同一名称の市は県政府、つまり日本で言うところの県庁所在地になっている。
とてもざっくりだけど、地図の中で赤い点で記して大体の位置を示してみた。
県があるものには、市があると言いたいけれど――雲林県、澎湖県、金門県、連江県のように同一名称の市がないものもある。

こうやって見てみると、台湾の行政区の中での市の位置づけは、もともと県の下に市があって、市が発展すると県から独立する市になって、県と並び立つ関係にあるのかなとか思ってしまうけど、
現実には、台湾における市の変遷というのは結構複雑で、
1945年の段階で省轄市は9つあったけど、それぞれが昇格したり降格したりの変遷を経て、今のような状況になっている。

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