ピロティという言葉で合っているかどうか、いまいちわからないんだけど――
もっとわかりやすい言い方をすれば、ひさしというかアーケードというか、そんな感じのものかな。
台湾では、市街地の特に大きな通り沿いだと、歩道は建物にビルトインされている。
そして、その軒下に店舗があったり住宅の入り口があったりするんだね。
こういうののことを「騎楼」(qi2lou2)というよ。
つまり、1階の建物の上に2階が載っかっているという意味だよ。
商業エリアで大通りに面した建物はピロティをつくらなきゃならないという建築管理条例を定めている自治体は結構多いので、台湾のいろいろな都市の市街地で見ることができるよ。
こういう条例があってピロティをつくらない場合にはそれにかわる歩道をつくらなきゃいけないことになるんだけど、そうなると建物の建ぺい率が小さくなるから、やっぱりピロティの方が選ばれるのかな。
つくらなきゃならないピロティの幅は各自治体によって違っていて、例えば台北市は3.64メートル、高雄市は3.9メートルだよ。
このエリアは歩道になっていて、自転車とかバイクは走らない道になっている。
ただ、ここは歩道でもあり、その建物の一部でもありという微妙な場所なので、
こういうスペースというのは、歩道だけじゃなくて営業場所として使われるときもあるよ。
ピロティ形式の建物が続くと炎天下を歩く必要がないので暑さよけとか日やけ防止になるし、
もちろん雨よけになるので、不意に雨が降ってスコールみたいになっても当座の心配は要らない。
こうやってつくられて便利なピロティだけど、それぞれの建物によって細かい仕様が違うから、
地面の素材が場所によって違うので滑りやすいということや、
段差や各種障害物があって、バリアフリーには優しくない構造かもしれない。
そして、しっかりした柱がついていないと地震には心もとない気はするね。