「混んでいる」を表現する

観光をしているときに気になるのは、やっぱりそこが混んでいる、すいているということなんだよね。でも、実際にそれをどう言えばいいのかと思ったことはないだろうか。

混んでいるにしても、すいているにしても、それは人の数を表現したいのか、状態を表現したいのかということでも変わってくると思う。人が多くてもすいていることがあるし、人が少なくても混んでいることはあるからね。

これらを踏まえてだけど――
(人が多くて)混んでいる場所という場合は、「人多的地方」(ren2duo1 de di4fang1)というよ。
(人が少なくて)すいている場所という場合は、「人少的地方」(ren2shao3 de di4fang1)ということもあるけど、この場合は、すいている状態ということで「空的地方」(kong1 de di4fang1)ということの方が多いかな。

観光をしていて、「ここは(人が多くて)混んでいる」というときには、「這裡人很多」(zhe4li3 ren2 hen3duo1)というよ。
逆に、「ここは(人が少なくて)」すいている」というときは、「這裡人很少」(zhe4li3 ren2 hen3shao3)というよ。

人が少ないという意味では、このほかに「沒什麼人」(mei2 shen2me ren2)という言い方があるよ。
どうも「沒」という漢字を見てしまうと「有」の反対だから、「ある」の反対で100%ない=だれもいないという意味かと思っちゃうけど、そこまでの厳密性がある言葉ではないみたい。人がいるけど少ない場合はこういう言い方ができるのだ。
本当に人っ子一人いない状態の場合は「這裡一個人都沒有」(zhe4li3 yi2ge4ren2 dou1 mei2you3)というような言い方にするみたいだね。

それから、混んでいる状態ということを表現するのには「擠」(ji3)という言い方もあるよ。
こちらは、体がくっついて、押しのけるような込みぐあいを表現する言葉だよ。通勤ラッシュなどの押し合いへし合い状態を想像してもらえれば、いいのかな。
だから、混んでいる状態を表現して、「這裡很擠」(zhe4li3 hen3 ji3)という言い方もできるよ。
さっきの人が多くて込んでいるということと合わせて、「這裡人很多, 很擠」(zhe4li3ren2 hen3 duo1, hen3 ji3)ということも、もちろん可能だよ。

ちなみに、ここでいう「擠」(ji3)は形容詞だけど、動詞として使うこともできるよ。
だから、「押さないで」というときには「不要擠」(bu2yao4 ji3)ということができるよ。ただ、「擠」(ji3)は体で押すニュアンスなので、もし手で押すことを表現したいときは「推」(tui1)を使ってね。

それから、混んでいることを行列しているというニュアンスで言いたいこともあるかもしれない。行列は「排隊」(pai2dui4)というよ。
人が行列しているときは、「大家在排隊」(da4jia1 zai4 pai2dui4)とでもいうのかな。
すごく行列しているときは、「大排長龍」(da4pai2 chang2long2)という言い方もするよ。こういう言い方は四字熟語であっても話し言葉であって、別に嫌みな表現ではないよ。(興味があったら、「擬声語と成語 その3)も見てね。)

ちなみに、横入りは「插隊」(cha1dui4)というよ。横入りしないでほしいときは「不要插隊」(bu2yao4 cha1dui4)というけど、なかなか言えないだろうね。でも、観光客が目にするようなエリアでは、それほど見苦しい場面に遭遇することはないと思うよ。
関連して、「「うるさい」を表現する」も見てね。