成語については、「擬声語と成語 その1」「擬声語と成語 その2」で書いてきたんだけど――
成語の使いこなすということについて、どうも台湾人と日本人の間にはとらえ方に差があるように思う。
台湾人の中では、成語を使いこなせれば教養が高いというふうに思われるけど、
それは言葉がきれいに表現できるという、プラスの意味での称賛であって、
日本人でよくありがちな、ことわざ、慣用句、四字熟語、故事成語を使いこなせる人を、おやじくさいとか軽べつしたり、わかりにくい言葉をたくさん使う嫌みなやつというふうにマイナスにとらえたりする感覚はないようなんだよ。
台湾における成語についての知識の蓄積はもう既に小学校時代から始まっているわけで、決して大人にならないとできないという言い方ではないよ。
前回の「擬声語と成語 その2」で紹介したような表現も、小学校高学年になればできるような表現らしい。
ただ、このような美しい含蓄のある言葉の並びばかりを暗記してしまうと、これを翻訳しようというときに困ってしまうことがある。
例えば、英作文をしようとしても、既存の成語の知識を用いた美しい訳語が見つからないことで困ってしまう。ないので、英作文も苦手になってしまう。
というわけで、英語のことわざをせっせと覚えることを推奨する人たちもいる。
日本語を学習するときも同様のことが言えるわけで、台湾人の使うこれら成語を丁寧に対訳してあるような日本の辞書があれば、ぜひとも買いたいと思う台湾人は多分いるんじゃないかとも思うのだ。
ただ、日本語の場合は、ことわざ、慣用句、故事成語などを駆使して話すのは敬遠されるわけだから、
台湾人が日本語を勉強するときは、熟語はほどほどに、むしろ、成語のかわりの擬声語、擬態語があれば、それをせっせと覚えていくのが正解かもね。
初めまして,日本語を勉強してる台湾人です。
「日本語の場合は、ことわざ、慣用句、故事成語などを駆使して話すのは敬遠される」で,初めて知りました…本当にびっくりした。
大変助かれました,ありがとうございます。
和語と漢語では、漢語の方が冷たく響くのです
(ヨリコさんへ)
こんにちはszyuです。コメントありがとうございます。
参考になったみたいでよかったです。
教養めいた言葉を多用しすぎると、お説教されているような、偉そうな感覚をもたれるみたいです。ただし、慣用句はそこまで気にしなくてもいいかもしれないです。
ちなみに、個人的な経験ですが、私は会話の中に漢語が多過ぎる、四字熟語を使い過ぎることが原因で、親しい人に話す言葉として冷たく感じるから言葉遣いを直した方がいいと指摘されたことがあります。語種によって、そういう感覚があるのかもしれないと思っています。
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