「台湾のお墓 その1」でもお墓の大まかのことを書いてみたんだけど――
台湾のお墓が日本と大きく違うところは、恐らく墓跡の文字が赤いこととか、写真があるところだよ。
幾ら何でも人様の墓の写真をそのまま載せるわけにはいかないので、一応、参考までに台湾のお墓の一例をつくってみたよ。
台湾の墓石に刻まれる文字は赤かったり、金色だったりしている。
墓石の中央に白い四角形部分があるんだけど、そこには故人の写真が張られるんだよ。
こういう血の色に似た赤字で文字が刻まれていることとか、
故人の写真、白黒だったりカラーだったりするのが張られていて、
そしてさらに、それが風化して色あせていくと――
さすがにそれは怖いものになるだろうことは想像がつくと思う。
多分、こういうことも台湾人が墓に近寄りたくない原因の一つになっていると思う。
墓石の説明に戻るけど――
その写真を隔てて刻まれるのが地名、その人の先祖のゆかりの土地の地名が刻まれる。
そして、いつからいつまで生きたかというのを右、中央の人名、左に墓を建てた人の名前になる。
中央の人名の刻まれ方には幾つかのルールがあるよ。
冒頭にある文字は、子供が建てた墓という意味で、「顕考」はお父さん、お母さんであれば「顕妣」の文字が入っていたりする。
その後の台湾人名については、戒名とかおくりなというのではなくて、通常は現世のままの名前が刻まれるようだ。
そして、最後に「佳城」というのは、日本で言うところの「~の墓」みたいなものらしい。
左側の墓を建てた人の名前についても、そのまま名前が書いてあるわけじゃなくてそれなりにルールがあるみたいだけど、ここではここまでは言及しない。
これらは標準的なものをごくごく簡単に紹介したもので、すべてがこうだということを示したわけじゃないよ。
例えば、息子や娘が建てたものでなければ、当然「顕考」「顕妣」云々もないし、人名も女性であれば姓の変遷などを含めたものになっていたり、最後も「佳城」となっていないものもあるよ。
そのあたりのローカルルールの差?宗教的な違い?は日本よりもあるような気がする。
いずれにしても、これでわかることは、台湾の墓は「家」の墓ではなく、個人の墓だということだよ。