台湾の中国語検定「華語文能力測驗」(初等)を受験した体験記だよ。
これまでの「台湾の中国語検定を東京で受験してみた」シリーズ、その1 その2 その3も見てね。
前回から続く話なんだけど、
試験監督の人は私の試験問題は簡体字だと言い、表紙にも(簡体字)と書かれているのに、なぜ1ページ目から繁体字なのか、でも、もうヒアリング試験が始まっているし――そんなことを考えて、結局最初の3問ぐらいは試験問題をろくすっぽ聞かずに終わった。
日本の試験問題のように、試験問題を配付された段階で本当に中に簡体字が書いてあるのかをチェックできればよかったんだけど、試験用紙にはシールみたいなので封緘されていて、厚ぼったい問題用紙の割に乱丁をチェックするような時間もない。
そもそも試験場には入れたのも試験開始10分前だったわけで、それで何ができるんだという時間だったわけだ。
結局、ヒアリングの音が鳴り始めてから開くしかなかったんだよね。
いずれにしても、そのほかのヒアリングにしても、私には意味のある音として聞こえてこなかったので、試験を受ける以前の問題だった。結果的にはどの文字が書いてあっても余り関係なかったか……。
ヒアリングについて思ったことは――さすがに受験者が4人しかいないし、試験会場の音響スピーカーは今までいろんな試験を受けてきたけど、一番大きいスピーカーだったと思う。音響はばっちりだったよ。
とはいえ、ヒアリング問題の音声環境としてはとてもいいように思ったのだけど、ヒアリング問題を読み上げる男性母語話者が何を言っているのかがつかみにくいなと思った。
それは、よくある中華人民共和国向け中国語の検定試験での、あの特徴的過ぎる滑舌が妙にいい女性の高く変化する声とは違うわけで、良くも悪くもあの声になれてしまうと、聞き取りにくいということだと思う。
これは私見だけど、台湾人話者の中国語発声の音域は大陸話者よりも男女とも低く、アクセントも相対的にはそれほど激しく発音されない感じがするわけで、ヒアリング試験でも、そういうところは見事に台湾の中国語試験になっていると思った。
ちなみに、ここで書いていることは、このヒアリング問題には台湾の独自表現が多くてわからなかったという意図ではなくて、そもそも私にヒアリング力がなかったから私はできなかったということだよ。
中国語の朗読や問い自体は、台湾の、というわけではなく、学習者のさまざまな中国語学習経験を考慮したものになっていると思う。
長くなったから、次回に続く。