一応、今年の漢字にもなったことだし――書いてみる。
台湾人も「偽」という漢字を見ると、にせものということはわかるけど、「偽物」という漢字は使わないみたいね。
中国語でにせものというのは、場合によっていろいろな言い方があるけど、「仿冒品」(fang3mao4pin3)、「冒牌貨」(mao4pai2huo4)、「假貨」(jia3huo4)、「贗品」(yan4pin3)と言ったりする。
「冒牌貨」というのは人に対しても言える言葉で、変装している人とかをいう場合にも使える。
「贗品」は書き言葉に近いけど、あとは話し言葉でも使える。
形容詞としては「仿冒的」(fang3mao4de)、「假的」(jia3de)という言い方もできる。
動詞になれば「偽裝」(wei4zhuang1)と言い方が出てくる。
ところで、台湾で「偽」という言葉を使う例としては、
何か文書を「偽造」(wei4zao4)するであるとか、偽札を意味する「偽鈔」(wei4chao1)とか、もっと具体的なにせものの事物を示す表現とか、
「偽政權」(wei4zheng4quan2)、「偽政府」(wei4zheng4fu3)といったような、イデオロギーの異なる政治主体を否定や批判をするときの表現として使われる。
「戒厳令時代の台湾の言論統制―1」も見てね。
ちなみに、「偽」の声調は、台湾の辞書では4声みたいだね。でも、3声で言う人もいるよ。