台湾国語と大陸中国語の差 その2

私のような中国語がよくわかっていない人間にとっては、台湾と中国の中国語ではどれほどの差があるのか、実ははっきりしない部分ではあるけれども、
中国語の初心者であっても、台湾と中国とで使っている単語が違うことぐらいはわかる。
この差はどうやってできるかといえば――新語を受け入れるスタンスにも差があるのかなと思う。

例えば、
台湾の中国語は、古典的な表現を派生させていることが多いけど、
中国大陸の中国語は古典的な世界から逸脱してしまっているものもある。

こういうふうになってしまう背景は、マスコミでの取り上げられ方の差も原因の一つだと思う。
中国の中国語では政府によって発信してつくられた新語も多かったりするし、
次々と新しい言葉が生まれれば、それをじゃんじゃんマスコミで使ってしまうんだけど、

台湾では、マスコミはそれなりに言葉遣いに保守的なところもあって、
新しい言葉をマスコミが先駆けて使うというわけではない。
若い人の流行語の発信の後にマスコミが報道して定着していくことから、何も報道しなければ言葉の流行は去ってしまったりする。
台湾では、構造的にトラディショナルなものが残る仕組みなんだね。

台湾で国語教育もそのような保守的なところがあるみたいで、台湾で国語教育を受けると保守的だけどより普遍性のある中国語が勉強できるとは言えそうだよ。

台湾国語と大陸中国語の差 その1」も見てね。

コメント

  1. けめこ

    はじめまして。
    一年前に台湾に中国語学習のため一ヶ月間留学していました。そのときに、中国で話される『普通話』と、台湾で話される『国語』の響きに違和感があると感じ、何が原因なのか知りたいと考え、現在卒業論文の研究テーマにしています。
    研究に行き詰まり、何か材料はないかなとネット検索していたところ、私の気になっていた疑問、考えを解決しているこのブログに行き着きました。とても参考になるので楽しく読ませていただいています。
    しかし、このテーマに関しては疑問を抱いたのでコメントさせていただきます。
    私が台湾に留学した際には、現地の学生は日本の番組(あいのり、HERO等)を良く知っていましたので、台湾のメディアは海外の文化の流入に友好的なのだと思っていました。
    今回言葉遣いに関してブログでしたが、文化も言葉につながることかなと思い、ここでコメントさせていただきました。
    ご意見お待ちしています。

  2. リアルに感じているのであれば、それが実情ではないでしょうか
    (けめこさんへ)
    こんにちはszyuです。コメントありがとうございます。
    学術用に資料を探しているとのことで御意見をいただきました。
    とても光栄なのですが、このブログを持ち上げ過ぎています。

    まず書かなければならないことですが、このブログのコンセプトです。「日台交流をテーマに、相互の身近な生活習慣の相違にまつわるトリビアと台湾中国語を紹介します。」つまり、物すごく「さわり」の部分を御紹介しているわけで、それなりの根拠や裏づけを持って書いている文章ですが、学術研究の参考文献にできるような文章を書いているつもりはありません。(特に日本語で書いてある方は)

    次に、台湾が日本のメディア流入に寛容云々の話と本文の関連性はわかりませんでした。済みません。
    御指摘いただいた日本の番組「あいのり」「HERO」のようなテレビ番組では流行語が使われているから、そこで使われているような新しい言葉が多くのメディアに伝播して、マスコミで広く使われている。他方、政府や教育部の辞書も精力的に新語を取り入れて更新されている。だから、それにつられて台湾人の言葉遣いの中で古い言葉が廃れて新しい言葉がふえているよというということですか?
    済みません、よくわかりませんでした。

    いずれにしても、今までの人生の中で私には外国で生活する、留学するチャンスはありませんでした。ここに書いている文章はすべて、私が「軽く」「ちょっとだけ」台湾を観光して得た知識や、台湾と非現実的な世界で想像している台湾観をもとに作成したものです。
    そのため、けめこさんが現地台湾で台湾人とコミュニケーションをした上で、さらに言語的な研究をされてこの文章を読んでいて疑問を抱いたのであれば、けめこさんの指摘の方がより実情に近いかもしれないとは思いますが、実際はどうなんでしょうか。
    私はオーバーに書いていますが、微妙な違いがあるかもしれませんね。そして、そこが多分けめこさんの卒業論文の大事なテーマになるかもしれないと思います。
    ☆☆☆