例えば観光地とかの公共案内での中国語は2種類、繁体字中国語と簡体字中国語を用意しようよという話を「日本の中国語表示(繁体字と簡体字) その1」で書いてきていて、
日本人の中には、中国語を母語とする人たちの間に主に二つの漢字、繁体字中国語と簡体字中国語が使われていることを知らない人もいるんじゃないかということを「日本の中国語表示(繁体字と簡体字) その2」で書いてみたよ。
このように、中国語には難しい漢字と簡単な漢字のものがあってという紹介をして、その上で、繁体字と簡体字の漢字を使用した2種類の資料を用意しようということを書くと、では、簡体字中国語の文章の漢字をそのまま繁体字の漢字に変換する、逆に繁体字文章の漢字を簡体字に変換すれば簡体字の文章になるだろうと考えるかもしれないね。
でもさ、「台湾国語と大陸中国語の差 その1」でも書いてきたんだけど、繁体字と簡体字は漢字を変換させてぴたっと一致する言葉かというと、そうでもないんだよ。
確かに、漢字を変換させるだけで情報を見せているウエブサイトは多いと思うけど、それは簡易で使い捨ての情報を見せている場合なんじゃないかと思うよ。
固定的な情報を見せるときは、実は繁体字と簡体字の2パターンを、両方の母語を使う人にチェックをしてもらって語彙の調整をしたりして、情報づくりをした方がより丁寧だと言えそうだ。
これは、WBCの国内予選があったときの東京ドームでの座席案内表示。
正直に言えば、多分「自由席」だけで、中国人も台湾人もその座席の意味を理解できるんじゃないかな。でも、こういうものがつくられている。
このぐらいの努力があるといいなと私は敬意を表するし、多分日本人はここまでこだわって情報づくりができるはずだと思っているんだよね。