日本の中国語表示(繁体字と簡体字) その1

中国語というと、どうも一つの言語というふうに一くくりにしてしまうけど、
話し言葉としては幾つも方言があることは言うまでもないし、
文字としても、大きくは簡体字中国語と繁体字中国語があるわけで、
なかなか一つのものに統一するのは難しいと思う。
今回は、後者の文字表示について考えてみたいんだ。

結論から言えば、案内板とか、ウエブサイトとか、パンフレットとか、中国語母語者のためのインフォメーションを作成するときには、簡体字中国語版と繁体字中国語版の両方を用意するのが誠実なんだと思うんだよね。
両方とも中国語だから漢字だから、読めなくはないと解釈して、簡体字使用者に繁体字の情報、逆に繁体字使用者に簡体字の情報をあてがってもOKでしょ、通じることは通じるんでしょ、と解釈することはあるかもしれないけど、それはちょっと乱暴だなと思うのだ。
現に、主要な観光地では中国語の案内は繁体字と簡体字と2タイプ用意されているわけだから、その必要性を痛感されるものだと言えるし、情報提供を受ける側としてはよりストレスが少なく安心できるだろうね。

最近は、簡体字中国語の情報がふえてきているから中国語情報はOKでしょと考えるのは、台湾人にはかわいそう。
まあこのブログは台湾についての情報を提供しているので、台湾人についてのことを強調して書くんだけど、その簡体字中国語の漢字情報が台湾人に真っ先に目に入ってくるかどうかは微妙で、
もしかしたら台湾人にとっては、日本語の漢字情報の方が繁体字により近いから読みやすいという状態にもなっているんだよね。
台湾人が簡体字中国語を読むときの感覚については「台湾人と簡体字中国語」にも書いてみたので、興味があったら見てみてね。

ちょっと長くなったので、この辺できょうの話は終わりにして、続きは次回にするね。