日本のものがそのまま伝わったのか、それとも日本から輸出されているのかちょっとわからないんだけど、
私が親の実家のある東北でよく見たアイスクリーム屋さんと同じものを台湾で見つけた。
アイスクリームは、台湾では冰淇淋(bing1qi2lin2)と言うんだけど、
この手のアイスクリーム屋さんのことを「ばーぶー」と言うんだって。
この音を聞くと、赤ちゃんの泣き声「バブー」を想像するかもしれないけど、
実際には、中国語には声調がつくので、日本のものとは若干アクセントが違っていて、「ばー(3)ぶー(1)」と発音する。
「ばーぶー」というのは擬声語で、それに当てはめる漢字はにわかに思い浮かばない。
あえて言えば、「ㄅㄚˇ ㄅㄨ」と注音で書く人はいるかもしれない。
アイスクリーム屋さんがお客さんを呼ぶために鳴らす楽器の音が「ばーぶー」であって、
「ばーぶー」という音を聞くと、そのアイスクリーム屋さんがやってきたことがわかる。
「ばーぶー」と鳴らす楽器は手元がゴム製になっているラッパみたいな楽器で、普通は自転車についていたりする。
この写真の色合いでのアイスの味は、想像するに――
茶色は、コーヒーかチョコレート
ピンクは、梅
黄色は、バニラ
紫は、芋(里芋)
――なんだって。伝統的なアイスでは味はこんなふうなんだそうな。
実は、私もこのアイスを食べたんだけど、何色がどういう味かは忘れてしまったよ。
ただ、味自体は淡くて、それは私が小さいころに青森でよく食べた「チンチンアイス」(チリンチリンアイス?)?と思うようなものだったよ。
日本で食べるこの手のアイスの方がシャリシャリ感があるような気はしたけどね。
ちなみに、青森のチンチンアイスは、図らずも音でお客さんを呼ぶという部分は、台湾のばーぶーと同じだね。
でも、鳴らす楽器が違うから、チンチンアイスはパプーという音は鳴らないよ。
チンチンアイスと同じようなアイスは秋田県にもあって、秋田ではこの手のアイスは「ババヘラアイス」と呼ばれているんだって。
「ババヘラアイス」は、「ババ」(売り子さんのことで、おばさんから由来)が「ヘラ」で盛る「アイス」ということ。
アイスを盛るという行為に関していえば、台湾の「ばーぶー」はヘラでアイスを盛ることはなく、写真のようにアイスディッシャーを使うそうな。
それから、進藤冷菓さんのババヘラ・アイスの味は、黄色はバナナ、ピンクはイチゴ味であって、台湾で想像される味とは違うようだ。
今回は、台湾の話よりも、日本紹介に力が入ってしまったような気がする……
いずれにしても、台湾の「ばーぶー」というアイスクリーム屋さんは昔はよくあったらしいけど、
今は貴重な存在で、郊外の方の観光地とかに行かないとなかなか見られないものになってしまったんだって。