中山と中正

台湾のことを見聞きしていると、「中山」や「中正」という文字をよく見かける。
日本ではこういう言い方はされないから、「中山」や「中正」が主語で会話をされると、
どの人のことを言っているのかとっさにはわからないかもしれない。
「中山」は孫文のことで、「中正」は蒋介石のことだよ。

「中山」や「中正」は、彼らの名称からとられた呼称なんだよ。
ただ、名前の中のとられた場所が違う。

孫文は、姓が孫で、名が文。(字は載之)
中山は、孫文が日本亡命時代、華族の中山という姓から着想した姓だよ。
そのとき孫文は中山樵と名乗っていたんだよ。

蒋介石は、姓が蒋で、名が中正、字が介石。
介石は、蒋介石の日本留学時代につくっていた同人誌でのペンネームだよ。

ちなみに、孫文と蒋介石の本名は、孫徳明と蒋周泰だよ。

孫文にしても蒋介石にしても、というよりも、
その時代の人たちは今の私たちよりもずっといろんな名前を使い分けていた気がするんだけど、
その中で、今では「孫文」「蒋介石」という呼び方で定着し、
台湾でも、日本と同じように「孫文」「蒋介石」と呼ぶことが多いみたい。

コメント

  1. 綾織

    中山やら、中正とつくものは
    台湾では偉いの部分に入るのでしょうか?
    (シュウの母校が中正高工なもので)

  2. 雪見隊

    はじめまして。
    いつもロムさせていただいてます。

    蒋氏は介石が名で中正が字かと勘違い
    していましたので、勉強になりました。^^;
    孫文の中山も姓ではなく字かと思っていました・・。(恥)

    ところで蒋介石のことを台湾で
    CKS(スペルが分からないので略で。すみません)
    と表記しますが、あれは北京語読みでは
    ありませんよね?何語読みなのか不勉強で分からず、不思議に思っています。

    これからも楽しみにしています。
    頑張ってください。

  3. コメントありがとうございます
    (綾織さんへ)
    こんにちは、szyuです。コメントありがとうございます。
    これらは人名という固有名詞から派生された表現ではありますが、もはやありふれているというか一般化し過ぎてしまっている感があるから、もちろん最初はそういう意図もあったのかもしれないですが、今はもうないんじゃないかという気がします。どうでしょう?
    ☆☆☆

    (雪見隊さんへ)
    こんにちは、szyuです。コメントありがとうございます。
    私もよく知らなかったんですが、日本語で調べていくと、蒋介石の「字」は「中正」というのがじゃんじゃん出てくるんですが、繁体字中国語で調べていくとそれが違うということがわかります。
    それから、CKS、Chiang Kai-shekというのは、Chiangはウェイド式 (Wade-Giles)のローマ字、Kai-shekは広東語らしいです。
    また遊びに来てくださいね。
    ☆☆☆