今の感覚ではあり得ないことではあるんだけど、
――ということを特に強調して、このシリーズを始めたいと思う。
以前の台湾では、戒厳令のもと、情報統制が行われていた時代がある。
そして、台湾と中華人民共和国がもっと対立していたとき、
そして、台湾の国内体制が現在と全く違っていたときには、
そのときどきの国内事情に影響を受けた情報統制もあったということなんだよね。
1987年、蒋経国の時代に、戒厳令をやめたし
1991年、李登輝の時代に中華人民共和国を反乱組織と指定するのをやめた。
徐々に法制度が変わっていき、台湾は民主化していると言える今があるのだ。
これを書いている2月22日現在の段階でも
「台湾の言論統制」「台湾の検閲」というキーワードでググっても、それぞれ1件しか出てこない話だし、
この手の話は、一般的な台湾人にとっても、もう歴史の中にあることで、それは驚きでしかないことかもしれない。
かつて、台湾ではどのような形で言論統制をされていたか――
台湾の地方の図書館でその名残を見つけたよ。
我々は日本人なので、まずは、
台湾で見つけた「平凡社世界大百科事典」(1983年版)で紹介したいと思う。