台湾で一番高い山

台湾で一番高い山は玉山という。
「ニイタカヤマノボレ一二〇八」という有名な暗号があるけど、これは玉山のことだと思うよ。
日本は当時、富士山よりも高い山である玉山を新高山と名づけていた。
新高山は当時の名称なので、今、この名称を台湾人に言っても通じないよ。

この山の標高は正式には3952メートルとされているらしいけど、
いろいろな測量結果によって違う数値が出てきているよ。

例えば、玉山のホームページによれば、
日本当局の統計(台湾総督府臨時土地測量局、1896年)によれば、3950メートル、
アメリカ当局の統計(アメリカ遠東陸軍製図局、1957年)によれば、3997メートル、
台湾当局の統計(聯勤測量署、1978年)によれば、3952メートルなんだけど、
最近の2回の統計結果では、3978メートルらしい。

こういうふうに台湾で一番高い山の高さが一定じゃないと授業で教えるときに大変だろうと思うんだけど、
台湾の地図」「中華民国の地図パズル」なんかも見てもらうと参考になるかもしれないけど、
以前の台湾では、台湾で一番高い山はヒマラヤだと教えていたわけで、
玉山は4000メートル級の山だとして、超アバウトに覚えればよかったらしい。

玉山の標高が3997メートルあるとされていたとき、
蒋介石はその山頂に銅像を建てたりして玉山は4000メートルあると主張したんだね。
ちなみに、この銅像はもうないよ。

多分3978メートルがより現実的な数値だと思うので、
そうなると、富士山は3776メートルよりも、200メートルほど高い山ということだね。
登山としては、富士山が初心者でも体力と注意深さがあれば勢いで1泊2日で山頂へ往復できるわけだけど、
当然、玉山はそう簡単に登れる山でもないし、登山口へのアクセスもそう簡単ではないらしい。