三民主義という入試科目

以前台湾には「三民主義」という科目があった。
高校の授業で時間割の中にある科目として存在していた。
そして、これが何と大学入試の科目になっていた。

「三民主義」なる科目の内容とは、もちろん三民主義を学習するんだけど、
三民主義をテーマにして、それをつくった孫文とそれを実行した蒋介石の思想の解釈についても勉強するものみたい。

以前「三民主義」は必修科目で、
三民主義を学習することに不満を持っている人であっても
「三民主義」を入試科目の選択肢から外すことができなかった。

入試科目としての「三民主義」は入試の合計点の割合として6分の1から7分の1ぐらいの割合を占めるため、
何もできない人でも「三民主義」ができれば何とか合格できる学校があると言われ、
すごく勉強ができる人でも「三民主義」ができなければ不合格になると言われる科目だった。

「三民主義」の問題は選択問題と論述問題で構成されているんだけど、
選択問題の場合は、答えが一つだけのものと一つとは限らないものとがあったりして、
間違ったらその部分の配点がマイナス点になるというかなり厄介なものだった。
だから、自信がない場合は空欄にしないといけなくて、
なまじ当てずっぽうで埋めてしまっても余りいいことはなさそうな科目だった。

「三民主義」の対策というのは、教科書を丸暗記すればある程度の点数がとれるし、
参考書はあるけど、ほかの科目に比べれば暗記量はかなり少ないとは言えるので、
現役生は教科書で勉強して対策するのがオーソドックスだと思う。