日台の食事位置の違い

台湾人に限らず、中華圏全般について言えることかもしれないんだけど、
台湾人が食事をするのを見ていると、どうも日本人よりも猫背で食べているように見える。
猫背になってしまうのは、お皿に近い距離に口を近寄せて食べているために、体を前傾させざるを得ないからだと思う。

例えば、骨つきの鶏肉の塊とか、そんなのの食べ方を見ていると、
箸を食べ物を持って、お皿から余り食べ物を離さずに、肉を口に持っていっているんだよね。
皿に顔を近づけているから前傾姿勢になる。

こうやって食べるのには、それなりの理由があって、
たれや汁や油が飛び散ったり服につかないようにするために、
肉を皿から持ち上げたら即座に口を近づけてクイックで食べているわけで、
経験上一番いいからこうやって食べているんだと思うんだよ。

日本人の場合は、どちらかというと、自分の口に食べ物を近づけて食事をしているように思う。
例えば、骨つきの鶏肉の塊とか、そんなのを食べるときは、
皿の中で何とか小型になるように箸で努力したりして、口に運ぶ。
あるいは、御飯の上に置いて、お茶わんを口の位置まで持っていって食べるかもしれない。

皿から食べ物を高く持ち上げれば、たれや汁や油がポタポタ落ちて来るんだけど、
そういうときは、箸を持っていない側の手を受け皿のようにして軽く添えて食べ物を運んだりするんだよね。
厳密に言うとこれはマナー違反で、本当はたれや汁や油がポタポタ落ちても構わずに食べるらしいよ。

こういう両者の食べ方の違いについては、普段は余り意識しないんだけど、
洋食でスプーンですくって食べるようなピラフとかスープとかを食べるときにそのくせに気づいたりする。
台湾人は、スプーンですくってから口まで運ぶ距離はやっぱり短いので少し前かがみになって見えるし、
日本人は、スプーンですくってからポタポタするものを手を添えて食べたりして、ちょっと不自然に見えたりする。

台湾の食事の仕方については、「箸とれんげの二刀流」も見てね。