孫文と蒋介石の神格表現 その1

孫文と蒋介石は、歴史上の人物としての評価は割れるらしいけど、
ともあれ、かつての時代には、
それはまさに神格化されていたような感じで受けとめられていたよ。

台湾の愛国歌曲」でも紹介したんだけど、
音楽の教科書をめくれば、そこには冒頭すぐの部分に孫文の歌と蒋介石の歌が出ていたぐらいなんだよ。

台湾人は、かつてはよく
孫文のことは、「國父」とか「國父孫中山先生」とか
蒋介石のことは、「先総統蒋公」とか言っていたよ。
それは神格化されているような敬称でもあったらしい。

ということで、その名前を言う音が聞こえると、
その音に反応して、その場ですぐに姿勢を正しくしたりしたんだ。
立っていえばその場で気をつけ、座っていればその場で背筋を伸ばしたりする。

そんなわけで、教科書を読んでいたとしても、
その教科書の中で「國父―」「先総統…」と言葉が聞こえてきたら、
そのたびにこんなことをやっていたらしい――

これは台湾の民主化の動きがあってからもしばらく続いていたようだけど、
最近はもうなくなっている。