戒厳令時代の台湾の言論統制―4

前回は、都合の悪い部分に張り紙がされるということを紹介したんだけど、
張り紙だけじゃ済まされないほどその範囲が広いとき、そこのページがどうなるかということを紹介するよ。

以下、写真はすべて「平凡社世界大百科事典」(1983年版)のものだよ。

まず、ページを丸ごとのりづけして、読めなくしちゃうという例だよ。

その当時、のりもしっかり張られていたんだと思うよ。
でも、そののりも時間とともにはがれやすくなり、
今となれば、こうやってはがしてちょっとのぞき込むことができるのだ。

もう一つは、ページそのものが切り取られちゃうという例だよ。
ページが切り取られ、例によって、そのページの前後の適当な箇所に「奉令削除」のスタンプが押される。

こうやって切り取られてしまえば、その部分が永遠に目に触れられないことはかなり悪質だとは思うけど、
個人的には、切り取られた場所がわかるようになっているのが良心的だと思う。
そんなに知られたくない情報だったら、そもそもなかったように取り繕う方がいいと思うんだよね。

これらの写真は、あくまでも地方の田舎の図書館にある古いもので昔の名残があるものを撮影しているわけなので、誤解をしないでね。

――この「平凡社世界大百科事典」シリーズは今回でおしまいだよ。
次回は、別のものを紹介したいと思う。

(続く)
「戒厳令時代の台湾の言論統制」     4