台湾の小中学生の買い食い

私立の学校は別としてだろうけど――
一般の日本の公立の学校と台湾の学生の根本的に大きく違うところは、
台湾の学生、小学生も中学生もお金を持って学校に行くことだよ。
それは、集金のために持参するお金ではなく、自分の食生活のために費やすものだよ。

台湾人の学生の朝にも書いたけど、
学生の朝食は、どこかの屋台で食べたりすることもあるし、
屋台のものをテークアウトしたり、コンビニで買って学校で食べてもいいので、驚きだ。
台湾では、日本のように、朝食を自宅で食べてこないのはおかしい、かわいそうな子供という観念はなさそうで、
そもそも自宅で朝御飯を食べる人はどれだけいるんだろうかという問いを発しなければならないぐらいなのだ。

おやつとかも持っていっても怒られない。
授業中に食べていればさすがに怒られるけど、休み時間は食べても問題ない。
そもそも、学校の中には売店があって、そこには種類は少ないながらもお菓子が並んでいたりするのだから、OKということなんだろう。

学校が終わって、学校を出れば、学校前に学生目当ての安い屋台やお店が並んでいたりする。
もちろん、その学校前のお店で買い食いしても先生に怒られることはない。
別に学校前だけじゃなくて、寄り道してどこかの屋台やコンビニで買い食いしても構わないんだよ。寄り道自体が許されている。

学校に授業とは関係ないお金を持っていったり食べ物を持ってきたりすること自体、先生に怒られないのがとても不思議に思うんだけど、台湾では先生自体も子供時代にこういうことをして育ってきているわけで、別に怒ることでもなく、当然のことなのだ。

私は小さいころ、家で朝食も食べず外食で済ませ、学校にお菓子を持ち込んで食べ、学校帰りに寄り道して買い食いしているのは道徳上いけない、悪い子になると教育を受けたものだが、
こういうことを普通に実践してきた台湾人は大人になって極悪人というわけでも道に外れているわけでもないよ。
日本の道徳観では説得できない現実が台湾にはある。