台湾人のお年玉

お年玉というと「紅包」を思いつくけど、厳密には「壓歲錢」(ya1 sui4 qian2)というよ。
子供の大事な臨時収入の一つ。
目が赤くなるような真っ赤っかの袋に入っているから、「紅包」というのは有名な話だよね。
真っ赤っかな袋の表書きとかにはキンキラキンの文字が印刷がされている。

「紅包」は、年が明けてではなくて、普通は大みそかの晩御飯の後にもらえる。
そこにいるあらゆる大人からもらえると考えてもいい。
子供は大人に遭遇すると、まあ当然のように「紅包」をもらえるだろうと考える。
その一族が大きければ大きいほど、子供のところには臨時収入が転がってくるのは、日本と一緒だね。

子供の「紅包」ゲットのスケジュールとしては――
例えば、大みそかの前日に父方の実家に帰省して、
大みそかに両親や父方の祖父母からもらえる。
春節を迎え、来客があれば、その人たちからもらえる。
さらに、2日目に母方の実家に移動して、そこで、母方の祖父母からもらえる。
また、来客があれば、その人たちからもらえる。

こうやっていろんな大人からもらえる「紅包」だが、
親から「貯金してあげる」とかなんとか言われて没収されて、それが生活費に充てられるというのも、まあ日本と一緒だと思う。
この時期は一族が集うので、「紅包」の準備は自分の子供だけじゃなくて、一族の子供みんなを想定しなければならないから、家計のやりくりも容易ではない。

お年玉というと、大人が子供にあげるものだが、
自分が就職をすれば、会社の上司から「紅包」をゲットできるかもしれない。
逆に、親孝行という意味合いで親のために「紅包」を準備することもあるかもしれない。
賄賂として取引先から「紅包」をもらえることもある。
その言葉に込められている意味は、日本語のお年玉よりも広い。