台湾語と国語のバイリンガル その1

台湾語と国語の距離も見てね。

国語は台湾人の8割が使える、台湾語は台湾人の6割が使えるのであれば、
両方すばらしく堪能にしゃべれる台湾人は結構いるんだろうと単純に思っちゃうけど、
もちろんそんなに簡単ではないのよね。
国語と台湾語の両方を「話せる」という人がいるとしても、そもそもそれはどのレベルで話せるかと考える必要があるよ。

ある台湾人がどの言語をよくしゃべれるのかというのは、まさに時代背景や教育政策、その地域や家庭の影響が強いと思う。
台湾の言語の双璧である国語と台湾語のみで考えてみれば、
国語ネーティブではない台湾語ネーティブでも、学校教育で国語を話すように義務づけられた時期もあるので、その時期に教育を受けた人であれば国語は話せないことはないとは思うんだよね。
でも、家や友達とは台湾語を話していたり、そもそもそこまで締めつけが厳しくなかった学校もあったらしいので、最終的に国語がよくできるようになったというふうには言いがたい現実があったりもする。

テレビも国語でじゃんじゃん放送しているから、台湾語ネーティブが日常的に国語に接しないわけでもないとは思うけど、
今となれば台湾語のチャンネルもあるし、国語の番組でも字幕がついていたりするので、それを読めば解決できたりする。

こちらが国語で話しかけられれば返事を国語でする台湾語ネーティブはもちろんいるけど、双方がなれない国語に悪戦苦闘していると悟り合えれば、即座に台湾語に会話が切りかわることもある。

そんな台湾語ネーティブであっても、若くなればなるほど学術的なことや儀礼的なものすべてを台湾語でこなすということも難しくなっているようで、そういうときは便宜的に国語を使ったりすることもあるみたい。
大学とかで微積分計算とかを台湾語で授業する教授もいないわけじゃないみたいだけど、それは超レアな例らしいんだよね。