台湾語と国語をめぐる勘違い

台湾をよく知らない日本人は台湾の一番メジャーでオフィシャルな言語はもちろん「台湾語」だろうと考えがちだし、そうやって思っている人を何人も見たことがある。
そういう日本人の理解では、中国は中国語、日本は日本語、マレーシアはマレー語というような感覚で、「台湾語」は台湾の中で一番メジャーな言語だと勘違いする。

そして、一般的な日本人でも台湾では中国大陸部と同じような中国語が通じることは知っているから、「台湾語」が一番台湾の中でメジャーな言語であれば、「台湾語」が中国語に似た言語だとさらに勘違いする。

さらにもっと詳しく台湾のことを知る日本人で、台湾には「国語」という言語があることを知っている人であっても、「台湾語」のことを台湾国内では「国語」と言っているだけであって、「台湾語」=「国語」だと勘違いしていることもある。
日本では日本語のことを「国語」と言うこともあるから、「日本語」=「国語」といえるわけで、そういうふうに考えるかもしれない。

こんなこともあり、台湾の特に国語と台湾語については、ちょっと細かい説明が必要だ。
台湾で話される言語の中には台湾語と国語という言葉があって、中国語に似ているのが国語、台湾語は中国語に似ていないとまで説明しないと、両者の違いがすとんと落ちてこない。

台湾にどういう言語があるのかを手っ取り早く知りたいのであれば、多分捷運(MRT)に乗るのがいいと思うよ。
捷運(MRT)の車内放送で駅名が国語、台湾語、客家語、英語と順に流されるからだよ。
そのことで、国語と台湾語は全く違う言語だということがわかるし、台湾ではそのほかにもオフィシャルに通用する言語の候補があるということも推測できるし、もっと言えば、どの言語が一番台湾の中で公用語的位置づけが高い言語なのかも示唆している。

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