「駄目」を表現する

「駄目」と言うときは、基本的には、許可を与えないということと、能力がないということと、条件に合わないということの3種類の意味があると思うんだよね。

許可を与えないときの「駄目」は、「不行」(bu4 xing2)「不可以」(bu4 ke3yi3)「不准」(bu4 zhun3)を使う。
どれか一つを覚えるとしたら「不可以」を覚えるのがいいと思う。
「不行」はちょっと強い否定になるので、動作を厳しく禁ずるときや突発的なときに使いたい。
「不可以」は「不行」よりも丁寧に注意喚起ができる。
「不准」は親が子供を、上司が部下を注意するような言葉。

能力がないときの「駄目」は「沒用」(mei2 yong4)「差」(cha4)「糟糕」(zao1gao1)「爛」(lan4) などを使う。
私はだめな人間だと言いたければ「我真沒用」と言う。
だれかのことを無能だと言いたければ「他很沒用」「她很差」などと言う。
相手に対してこのような意図を伝えるときにはもちろん当人の前では面と向かって言わないのは日本語と同じなわけで、その場合はこれらの語彙を使わずに「你的能力還不夠」などと言う。

条件が合わないときの「駄目」は「不行」(bu4 xing2) を使う。
何かの人選をしているときに、「彼はどう?」と言ったような条件を問いかけて、その条件に合致しないと言いたいときは、「他不行啦」と答える。

ちなみに、「駄目」という語彙は中国語にはないよ。
だから、「駄目」(tuo2 mu4)と中国語で漢字を読んでも通じないし、もちろんこの漢字を書いて筆談しようとしても、日本語を勉強したことがない台湾人にはぴんとこないと思う。