素朴に、台湾の首都はどこだろう?と思ったことはないだろうか。
日本の教科書にもあるように、蒋介石率いる国民党は南京に政府をつくったんだよね。
そして、蒋介石は台湾に行ったけど、その後は政治的に対立関係にあるわけで、政治的なパラダイムの転換が起こったわけでもないから、南京が首都かもしれないと思ってもおかしくない。
台湾の地図を見てもらえればわかるんだけど、中華民国の国土は非常に広いんだよ。
そして、現在の日本人の常識から考える中華民国=台湾は、中華民国の中の一番小さい「省」であって、中華民国すべてをあらわしていないのだ。
そう考えると、その一番小さい台湾というエリアに首都を建設するというよりも、
やっぱり、中華民国の首都は南京だと考えるのがしっくりくるのだ。
とはいうものの、中華民国の首都は南京だというのは、
今の現実的な中華民国=台湾の国土から考えれば、ちょっと違和感も覚えるよね。
一般の台湾人に「台湾の首都はどこ?」と聞いて、多分「南京」とは答えないんじゃないかな。
人によってまちまちだろうけど、首都を「台北」と答えることが自然なことなんじゃないかと思うんだ。
首都のことについては、以前、行政院長に質問した国会議員がいて、それに対して行政院長が、中央機関が台北にあるから、首都は台北になるというふうに見解を出しているよ。
2002年より前は、中華民国の首都というのは非常に表立って明確にしてこなかった話題だったんだけど、
2002年から、中華民国の首都は台北という方針になった。
つまり、20世紀まではずっと中華民国の首都は南京だったんだね……
ちなみに、学校の教科書ではどうなっているかといえば、
2002年以前の学校の教科書では、中華民国の首都は南京だったけど、
2002年以降は中華民国の首都は南京だという書き方はしなくなったんだよ。
かといって、首都は台北だというはっきりした書き方であるわけでもなく、
「中華民国の中央政府は台北にある」「中華民国の省庁は台北にある」としているのだ。