台湾の民族衣装

台湾人に民族衣装を着てきてくださいと頼むと、多分、困る人が多いかもしれない。
一般的な台湾人には民族衣装が何かわからない。

日本人が民族衣装としてよくイメージするところだったら、
多分、男性は中山服でも着て、女性はチャイナ服でも着るんだろうと思ってしまうよね。
まあ確かに、昔は、中山服やチャイナ服を着て町を歩いていた人がいたけど、
中山服(中山装)はボタンがあって襟がある洋服であって、民族衣装というイメージじゃないし、
チャイナ服(旗袍)は満族の民族衣装であって、民族衣装であるというふうに断言しにくいんだよね。

とはいっても、チャイナ服を着ている人を見かける場はあるかもしれない。
ミス台湾がミスユニバースに参加するときは、チャイナ服を着ている。
チャイナエアラインの客室乗務員は、チャイナ服を着ている。
中華料理のレストランに行けば、チャイナ服を着ている従業員を見るかもしれない。

ただ、今の台湾人は移民者が多いし、台湾自体の歴史も短いので、
その歴史の中で民族衣装が生まれて発展するという状況にはなっていないのだ。

だから、台湾人が成人式のようなイベントや結婚式で着るときの服は、自然と洋装になるのだ。
婚礼についていえば、漢族の婚礼衣装を着ようと思えば、台湾の国内で着られるんだって。
けれども、それは真っ赤なもので、余りいい趣味じゃないので、そういうのを選ぶ人はマニアックかもしれない。

ちなみに、もちろん台湾の先住民は民族衣装があるよ。