台湾人と簡体字中国語

台湾人はあんなにも難しい繁体字中国語を使いこなしているので、それよりもはるかに簡単な簡体字中国語を問題なく読みこなせるのだろうと思いがちなのだけど、
台湾人は一般的には簡体字がよく読めない。

だから、比較的頭がいいと思われる台湾人から、中国大陸部の中国語を勉強しているところの日本人が簡体字の字句の質問を受けるなんていう場面に遭遇することもあるんだよ。
何とも、不思議な気持ちになる。

台湾人が簡体字を読めないのは、もともとは能力や資質に原因があるというよりも、気分的な問題の方が大きいと思う。
簡体字は繁体字に比べれば、確かに漢字は難しくはないんだけれども、
台湾人が簡体字の文章を読んでいるときに、その文中に読めない文字が一文字でもあれば、
全般的な読む気力がうせてしまうということなんだ。

日本語の常用漢字は、簡体字と繁体字の間に位置づけられるぐらいの簡略度を持つ漢字のように思われるから、日本語の常用漢字から簡体字や繁体字を見れば、字句についての類推は何とかできそうだけど、
ワンクッションを置かずに繁体字から一気に簡体字を想像するのは少し難しいかもね。

ちなみに、台湾の中で簡体字を見る機会はほとんどないよ。
台湾人が簡体字を見る機会があるとすれば、それは台湾の街角でではなくて、ネットで見ているということだと思う。