台湾人の徴兵の配属先決め

台湾の徴兵制度も見てね。

徴兵制度によって、現行では台湾人の男性は兵役に行かないといけないことになっているんだけど、一般の人は自分の好きなところに配属されるわけじゃなくて、その配属先はくじ引きで決まる。

くじは原則として本人が引く。
本人が引けるようにあらかじめ自治体からくじ引きの日時の通知が来る。
本人がくじ引き当日に行けなかったら、自治体の人(里長や村長)がかわりにくじを引いて、その後本人に通知が行くことになる。

くじの様式というのは厳密にこういうものだというものがないらしいんだけど、
イメージとしては、箱があって、穴の中に手を入れると、そこに紙があって、その紙のくじを引くということみたい。
くじを引いた後、そのくじの箱のそばに自治体の兵役担当者がいるので、その人にくじを渡す。その職員は、そのくじの中身を読み上げる。

くじの中身には「陸軍」「空軍」「海軍陸戦隊」「海軍艦艇兵」の4種類がある。
別にくじの種類と数がいつも一定であるわけではなく、そのときの募集の状況によって数は異なる。
くじを引く前にあらかじめくじの中身の割り当ては知らされる。
多いのは「陸軍」だから、大抵の人の兵役配属先は「陸軍」になる。

昔は、例えば陸軍は徴兵期間2年、空軍や海軍は3年という感じで、兵役期間が異なっていたので、みんなが行きたい場所というのはおのずと兵役期間が短い場所ということになっていたみたいだけど、
最近は、兵役期間が同じになっているようなので、行きたい場所=引きたいくじも昔とは異なる傾向を示している。

みんなが一番引きたいのは「空軍」。
航空機に乗って実戦をする人は兵役の人ではないから、空軍での兵役は勤務に関する仕事の方が多くて、ちょっと仕事が楽になるというイメージがある。

みんなが引きたくないくじは「海軍陸戦隊」、つまり海兵隊のこと。
伝統的にかなりハードな兵役になることは間違いないから、みんな行きたくないと思っている。
だから、だれかがそのくじを引いたら、その会場から拍手が流れるというか、みんなにこれで自分が行かなくて済むというような安堵感が流れる。

くじ引きという行事は、台湾人の男性にはかなり深刻なことだから、願かけみたいなこともする。
例えば、くじ引きするときは、手に「目」の絵を描いたりして、
手に目があるから、いいくじが引けるに違いないというおまじないをしたりする。
もちろん、くじ引きの日の前に、祖廟に行って祈る人もいる。

ちなみに、くじ引きと入隊の時期というのは必ずしも合致しているわけではなくて、
くじ引きは徴兵時の行き先を決めるもので、入隊の時期は別途連絡が来る。