「恥ずかしい」を表現する

思えば、中国語を知らなかった私が初めて中国に行ったとき、中国語の「我」よりも先に覚えた言葉、中国語で一番最初に覚えたいと思った言葉は、あいさつよりも、「恥ずかしい」という言葉だったんですよね。
その旅行では連日恥ずかしい出来事――男性の漢方医に診察されたり、按摩に行ったり、エステに連れ回されたり、浴徳池に行ったり、サウナに行ったり、写真館に行ってドレスを着がえたりといったようなことがあったからそう思ったのかもしれないんですが、
そもそも国によって羞恥心に差があることですし、羞恥心を示す言葉は意外に知っていて便利な言葉なんじゃないかと思うんです。

そこで、
もちろん台湾人は高度に言葉を使い回して恥ずかしいことを主張するんだろうけど、
以下、外国人向けに台湾中国語での「恥ずかしい」の表現を書いてみるね。

一般的には、「害羞」(hai4 xiu1)、「不好意思」(bu4 hao3 yi1 si)、「難爲情」(nan2 wei2 qing2)を使う。
中国語がよくわかっていない場合は、これのうちのどれか発音しやすいものを覚えて言えば、台湾人に通じるよね。

言うときは、前に「覺得」をつけたりする。「覺得」をつける場合には主観的な表現になるので、主語は自分以外はつかないと考えてもいいと思う。
我覺得害羞  我覺得不好意思  我覺得難爲情

「會」をつけると、いろんな人称に対応できて、恥ずかしがり屋だからできないという意味になる。
こっちの方が中国語ボキャ貧の場合は実用的かもしれない。
我會害羞  她會不好意思  他會難爲情

自分が恥ずかしいことをした結果、自分が恥ずかしいときには、「羞死人了」(xiu1 si3 ren2 le)を使う。
アブノーマルなシチュエーションでも使える言葉の一つですね――

他人が恥ずかしいことをした結果、自分が恥ずかしいときは、「丟死人了」(diu1 si3 ren2 le)を使う。
この言葉は、結構意味の幅が広いかな。体面にかかわる話でみっともないと思ったときにも使える。

場を乱すことをやってしまって目立ったことが恥ずかしいと思うときは、「丟臉」(diu1 lian3)を使う。
こちらもかなり幅の広い恥ずかしい気持ちを表現できる言葉らしい。
これは形容詞なので、副詞をつけて「好丟臉」(主観的ニュアンス)、「很丟臉」(客観的ニュアンス)と言ったりする。
超恥ずかしいときは「超丟臉」(chao1 diu1 lian3)、「爆丟臉」(bao4 diu1 lian3)と言う。
すごく恥ずかしいときことを表現するときには「有夠丟臉」(you3 gou4 diu1 lian3)というのもある。「有夠」(有(多句))は台湾語からの言葉。

実際に恥ずかしくてできないというときには、「不敢」(bu4 gan3)を使う。怖いときも使う。

相手の恥ずかしいことをけなすときは、「羞羞羞」(xiu1 xiu1 xiu1)、「羞羞臉」(xiu1 xiu1 lian3)を使う。「やーいやーい」って言ってばかにする表現に似ている。

ボディーランゲージとしては、自分のほほを人さし指の指先で縦に3回こすると「羞羞羞」という意味になる。
他人に対して、「やーいやーい」とけなすときには、「羞羞羞」と言いながらその人のほほをこすりにいけばいいんだけど、これは子供がやるような表現のようなので、実用性は不明ですね。