台湾の戸籍

世界的に戸籍が整っている国というのは、実はそれほどないんだけど――
台湾には、戸籍制度がちゃんとあるのだ。

生まれたときに、その地域の「戸政事務所」に届けに行くと、戸籍に登録される
戸政業務は国に所属し、その事務所は市役所とは別の機関として別の場所に存在している。

日本の場合は、本籍と現住所と二つの住所があるけれども、
台湾の場合は、住所としてと記録されるのは一カ所だけ。

日本のように、そこまで現住所というものに厳しいわけではないらしい。
だから、台北の戸籍の人が台中で就職して賃貸のアパートに住んでいたとしても
そこに、戸籍をどうしても移さなければならない、ということにはならないらしい。

住所として記録されている場所は、
税金を納める場所とか、
選挙で立候補したり投票したりする選挙区とか、
義務教育期間中の公立学校に入学する際の学区とか、
そういうときに所属する地点になるから、
選挙で有利なところから立候補するために、戸籍を移したり、
いい公立学校に入学するために、戸籍を移したりする人もいる。

それから、日本と違う点は、
日本は、やたらと「住民票」の提出を求められるけど、
台湾は、戸籍書類のコピーを提出される機会はあまりないということ。

それは、台湾人はみんな身分証明書を持っているからなんだ。
日本の「住民票」で必要とされるような手続は、
台湾では身分証明書で代替できるのだ。